木製レモン絞り

椅子を制作する傍ら、木製レモン絞りを少しずつ削り進めています。
「手児奈(てこな)40周年記念企画」への出品作品のご相談をした時に、オーナーにはすでに使ってもらっているレモン絞りの話になりました。「プラスティックの世の中だけれど、木はいいですね。可愛いです。」と言ってくださいました。
そこで、6年前に左手が腱鞘炎になったため制作途中でおいていたものを、仕上げて出品することに。

この形のレモン絞りは、30年くらい前にロンドンのコンランショップで購入して以来、妻が重宝して使っていましたが、虫食いにあって穴が空いてしまいました。同様のものを探したけれども見つからず、どうしても同じものが欲しいと懇願され作ったものです。果実が大きいグレープフルーツやオレンジなどの果汁を絞るのにも使いやすい形のようです。
コンランショップのものはブナ材で作ってあります。なぜ虫が入ったのかはわかりません。私が作っているレモン絞りは、ブナよりも緻密で硬いメープル(楓)を使っているので、おそらく虫食いはないだろうと睨んでいます。

大方の形を機械で切り込んだ後は、レモン絞りの形が完成するまで、カンナ、ノミ、彫刻刀を使って手で削り出します。ほぼ彫刻の作業です。削り出す作業は楽しくてついついやりすぎてしまいますが、今回の制作は、手を痛めないように他の作業を上手に組み合わせて、完成させようと思っています。

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