願いが叶うお菓子ポルボロン

バターを使ったお料理・ 願いが叶う魔法のお菓子

「ポルボロン、ポルボロン、ポルボロン」とお菓子を口に入れて3回言えれば願いが叶うと言われている、スペインのアンダルシア地方の祝い菓子ポルボロン。小麦粉、砂糖やアーモンドプードルを円形に固めて焼き上げたクッキーで、口に入れるとほろほろと崩れて溶けていくのだとか。
流れ星が流れる間に願い事を3回言うよりは、はるかにお手軽な願掛けアイテム。空を眺めて流れ星を待つよりも、ポルボロンを焼いて願いを叶えてみるか。なーんて思ってレシピを探してみた。

材料は、小麦粉、アーモンドプードル、粉砂糖、無塩バター。本来ならばラードを使うのだそうだが、ここは、最近お気に入りの無塩発酵バターを使ってのお菓子作りにしよう。
発酵タイプのバターは、ヨーロッパでは主流のバター。乳酸菌で発酵しているそうで、焼き菓子にはもってこいのバターだとか。牛乳っぽいようなヨーグルトっぽいような独特なよい香りがする。
今まで、我が家で使っていた450gサイズの発酵無塩バターは、200gバターに比べると不遇な目に遭ってきた。銀紙を巻かれた上にラップに包まれ、サイズ不適合のタッパーに投げ込まれ、さらには冷蔵庫の片隅でひっそりと過ごしていた。だがこの春、夫が作った木製バターケースポンドサイズという住処ができて、ようやく快適な冷蔵庫ライフを送れるようになった。(たぶんバターはそう思っているんじゃないかな〜)

冷蔵庫の中のポンドサイズの木製バターケース

このデカイサイズのバターケースは、お客様からのオーダーをきっかけに製作されたもの。デカイサイズが欲しいなあと思いながらも、夫にリクエストできずにいたので、手にした時は密かに小踊りしてしまった。
冷蔵庫の奥から容器を探し出し、ラップ外します〜。銀紙外します〜。使い終わったらその作業の巻き戻し。という、いちいちの煩雑さから解放されて、シメシメ感満載だ。

今我が家で活躍中のポンドサイズの木製バターケースを「ポンド君」と私は呼んでいる。
素材も構造も200g用のものと同様で、バターは底板の上に載せ上蓋を被せるディッシュ型。木製バターナイフも箱の中に収まって密閉される。上蓋は、木組みという技法で組み立てられ、契りでしっかりと止められている。
底板が緩やかにカーブしていて、4本の指が入るので、ケースをしっかりと手に取れて持ち上げやすいデザインになっているのがとても嬉しい。
それに、口にしても安全なクルミオイルで仕上げてあるので、裸のバターを安心して預けられる。冷蔵庫を開けるたび、美しい木の箱がドンと目に入るのも仲々佳い感じで『夫さま様』と手を合わせている。

上蓋をかぶせたポンドサイズ木製バターケース
ポンドサイズ木製バターケース に置かれたバターを木製バターナイフで削る
ポンドサイズ木製バターケース を持ち上げ易いカーブした底板

では、ポンド君を冷蔵庫から取り出して、願いを叶える魔法のお菓子作りをはじめよう。
材料 / 直径3cmの丸型12個分
・薄力粉 50g・アーモンドパウダー 50g・無塩バター50g・シナモンパウダー少々・粉糖30g・仕上げ用粉糖 適宜
作り方 /
1)薄力粉を200℃に予熱したオーブンで12〜15分様子を見ながら、うすく焼き色がつくくらいまで焼く。粗熱がとれたらアーモンドパウダーと合わせてふるっておく。
2)常温に戻して指が通るくらい柔らかくなったバターをゴムべらでクリーム状に練る。
3)粉糖を一度に加える。
4)バターと粉糖をよく混ぜ、白っぽいクリーム状にする。
5)ローストした薄力粉とアーモンドパウダー、シナモンパウダーを一緒にふるったものを加える。
6)生地がなじむまでゴムべらでよく混ぜる。(ポロポロの生地)
7)ラップに包んでギュッとまとめ、冷蔵庫で休ませる。(2時間くらい)
8)休ませた生地を1cmの厚さに麺棒でのばす。丸い型で生地を抜く。(冷蔵庫から出した冷えた生地だと抜きやすい。生地がだれてきてしまったら冷蔵庫で再度冷やす。)
9)オーブンシートを敷いた天板に並べる。
10)150℃に予熱したオーブンで20分焼く。焼き上がりは柔らかく、もろいため、そのまま天板の上で冷ます。
11)茶こしなどで粉糖をふりかける。

願いが叶う魔法のお菓子ポルボロン

ポルボロンが焼きあがる頃には、台所は焼けたバターの良い香りが満ちていて、鼻の中から身体中に幸せが満ち足りていく感じだ。そして、粉砂糖をふりかける時には、その幸せ感がマックスになる。
でもですね、粉砂糖を振り終わっ時に思ったこと。「これはやっぱり、冬にぴったりのお菓子だなあ。」と。

ともあれ、今回は願いを叶えようと作り始めたお菓子だもの。願い事に心を寄せて、お菓子が口の中で溶ける前に「ポルボロン、ポルボロン、ポルボロン」と3回言わなくっちゃ。
「ベニスとフィレンツェとアンダルシアに行きたいわ」 こんな願いも叶うかしら。ふふっ。

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