SHIMS FURNITURE制作の樽材の正方形のプレート

自然のままに|洋樽から生まれたプレート

我が家で愛用している夫が作った樽材のプレートは、パンやおにぎり、揚げ物を盛るお皿としてはもちろん、カップとお菓子をのせるティータイムトレー、酒の肴を入れた豆皿を並べたりと大活躍。くるみオイルを塗って仕上げてあるので、木が濡れたような自然な色だ。乾いたおふきんでキュッキュッと磨くとツヤが増して、カンナの削り目が表情を持って浮き上がってきてなんとも美しい。
久しぶりにこのプレートのお手入れしていた時に、あるアイデアがふと浮かんだ。

「このプレートの拭き漆(ふきうるし)仕上げバージョンを作るのはどうかな?」

「拭き漆」とは、木地に透けた生漆を塗っては布で拭き取る作業を繰り返し、木目を生かして仕上げる塗装技法。
木の素材感を保ちつつ漆でお皿をコーティングするので、オイル仕上げのものよりも堅牢になるし水気のあるお料理にも強くなる。
漆の色がついて焦げ茶色になるので、オイル仕上げのナチュラルカラーのプレートと組み合わせて使うのも素敵だ。

ということで、早速私のアイデアを夫に提案してみたところ「いたしません」とキッパリ断られた。
ドキンとするほど、
あまりに見事な断り方だったので、そのわけを訊ねた。

「樽としての役目を終えるまで散々コキ使われてきた木なんだから、自然に息ができるモノとして生かしたい。漆の塗膜で木の呼吸は止まるので、この樽材を漆の鎧で固めたくはない。」と。

 

『ああ、負けた』
夫の話しに、正直そう思った。
痛んだ樽材の内側に残っている、美しい木の姿を削り出し、その洋樽の第二の人生を自然のままに過ごしてもらいたい。そういうことに思いを至らせているなんて。。。木は夫の『ともだち』なんだな。

 

この洋樽から生まれたプレートが呼吸しているのだと思うと、こころがほんわかとしてくる。

11/15日より始まる「暮らしの中の自然展」に出品しています。どうぞ手にとって触ってみてください。

『暮らしの中の自然展』 11/15 ~12/9   @草花ノ香リ 直方市上頓野1115
詳細はこちらより > https://www.facebook.com/events/938486093195503/

 

 

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