家族の物語を繋ぐ小さな木の椅子に

材をお持ちのお客様からお孫さんのための椅子制作の依頼をいただきました。
お客様のご実家は、江戸時代末期に山守りとして活躍され、その後林業を営んでおられたそうです。お父様の代に伐採されて50年以上寝かされてきた材の中にあった、欅を使って制作することになりました。欅の樹齢は100年を超えていそうです。

世代を繋いで育てられてきた木が、材となり、その材が椅子となって、ご家族に受け継がれていくのだなあ。と思うと、何か心が温まります。

椅子のデザインは、小さな子がちょこんと腰掛けられる、背に短い手と目と口が付いた『ビー』という名前の椅子に決まりました。(名前は「イルカの日」という映画に登場するイルカの名前からもらいました)
25年前に制作した、『ビー』の椅子を友人が貸してくれたので、その実物も見ていただきました。

友人のN家では、『ビー』を一番最初に使っていたお嬢さんは嫁がれ、今は家族の皆さんが使う椅子となっているそうです。猫さんも利用してくれているみたいです。中でも、お父さんが猫を抱いてくつろぐのに、なくてはならない存在だとのこと。

新しく作らせていただく椅子も、お孫さんの成長と共に、ご家族の歴史や物語を繋ぐ椅子になってくれるといいなあと思いながら、お預かりした材を工房に運び入れました。木取りを始めます。

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