木クズのゆくえ

木工の仕事をすると木クズがたくさん出ます。
「この木クズはどのように処理しているんですか?」というご質問をいただいたので、お答えします。

ゴミといえばゴミですが、できるだけ有効活用したいと思っています。
私が独立する前に勤めていた家具工房では、木クズは集塵機で集められ、パイプを通ってボイラー室まで運ばれて、そこで燃やされていました。そしてその熱を利用して木材を乾燥していました。
私の個人の工房では、そのような設備を整えるほど大量な木クズは出ませんが、それでも木クズの処理は必要です。
木クズといっても鋸(のこ)クズとカンナクズは形状が違うので、それぞれを分けてこまめに処理します。

カンナクズは、概ね工房の薪ストーブにくべます。薄い木クズなのでパラパラと燃えてくれます。

鋸クズは細かいので、生ゴミを堆肥化させるためのコンポスト容器に入れたり、花壇や庭に撒きます。庭や花壇の土に撒いたものには、妻が牛糞堆肥を加えて土に混ぜ込んでいます。
樹木、枝葉・根株、剪定クズを発酵堆肥化させたバーク堆肥というものがあるそうですが、なんとなくそれっぽい使い方なのかなあ。

隣に住む従兄弟は、時々カンナクズをもらいに来てくれます。
バラの木が植わっている土をこのカンナクズで覆うと、雨による土の跳ね返りがなくて良いそうです。お隣のバラが植えてある花壇とバラの鉢植えには、もれなくうちの木クズがのっています。

 

木を切断する丸鋸という機械の下には、わずかずつですが、とても細かい鋸クズが溜まります。切った樹種によって色の違う鋸クズが積み重なって、断層みたいに見えることがあります。これを見るのは掃除する時の楽しみです。

土で育ってきたものを土に返すという、木クズのリサイクルは、なんだか気持ちがスッキリします。
そういえば、洋樽を使った制作もリサイクルですね。

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