6歳と3歳のカンナがけ

私が使っている家具の無垢材は、樹齢がおよそ100年くらいの木を製材して乾燥させたものです。
無垢材で作った家具は、材となった木の樹齢以上に長く使うことができます。ですので、100年以上、世代を超えて受け継がれていかれるような、丈夫で美しい家具を作る。ということを私の制作の柱にしています。
今回、新築されたK邸のためにお作りしたテーブルと椅子も樹齢100年を超えるホワイトオークを使いました。
ご依頼主のお子様は6歳と3歳です。このお子様たちが歳をとったその時にも、このテーブルと椅子にまつわる話しが、このご家族の物語として家具と共に受け継がれていくといいなあ。と思いました。

そこで、お子様たちに椅子の制作のお手伝いをしてもらうのはどうか?という提案をしたところ、『是非子ども達にやらせたい。』とご依頼主のご夫婦が喜んでくださいました。
制作のお手伝いは、椅子の背の棒をカンナで削る作業にしました。棒の角にカンナをかけて、丸くしてもらいました。

カンナがけは、大人がやってもなかなかムヅカシイものです。子どもたちは何回もやっているうちに要領を得て、スルスルと削れるようになりました。

3歳の女の子は、このカンナ削りがよほど楽しかったのでしょうか、熱心に集中して削っていました。そして、小さなカンナの歯の間から出てくるカンナ屑を嬉しそうに見て、扱っていました。

ほんの短い間の体験でしたが、お母さんが撮ってくれた写真や動画を見ながら、この時のことを思い出してくれるといいなあ。そしてこの子たちが大人になった時に、「この椅子を作るお手伝いをしたんだよ」と自分の子どもたちに伝えてくれるといいなあ。と思っています。

2019年12月。子どもたちがお手伝いしてくれた椅子も完成して、テーブルと共にお届けしました。

 

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