『おとなのための玩具展〜遊びをせむとや生まれけむ』に初出の鞘つきぺーパーナイフ。
刀や「ながもの」にあまり興味がない私にとっても、この鞘つきペーパナイフは美しいと思う。かなりそそっかしくて、またまるで瞬間湯沸かし器が点火するに似る感情表現をする私にとって、刃物が納っているということは、人も自分もそしてその刃物自体をもむやみに傷つけることがなくて、極めて安心できる。
「用いる美」の探究には、わたし自身も精進しているところだが、「仕舞う美」ということの存在にあらためて気付かされた作品だ。そのもの自体の美しさ。そしてそれを「しまう」に至る精神と肉体が対をなすの動きの美しさをも感じられる。「仕舞う」というこの字は奥が深くて、なんと美しい日本語だろうか。「作る」「使う」「仕舞う」というの一連の美の根底にあるものは「精神の美しさ」だろうか。なんて、そんなことを考えながら、鞘から抜いたり仕舞ったり、何度もなんども繰り返してみる。刀が好きな夫の遊び心から生まれた作品から「精神の美」について思いを至らせるとは・・・恐れ入りました。
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