冷蔵庫で保存していた庭レモンが残り2つ。 こうなると希少価値がグーンと上がってきて、何に使うか慎重に考えてしまう。自分ちのレモンは丸ごと使えるというのが最大のメリットなので、これはレモンの皮を使った料理を作らなくちゃ。ということで、レモンバターパスタを。バターたっぷりだけれど、全然胃にもたれない。こっくりと爽やかで、不思議な美味。
まずは、お湯を沸かしている間にレモンの皮をすりおろす。パスタとお塩を揃えたら、冷蔵庫を開け「ハーイ、ボス!今日は貴方の出番だよ」と、バターケースにご挨拶。
我が家の冷蔵庫には、夫が作った木製バターケースが3つ鎮座している。彼らはホワイトオークという木からできているのだが、樹齢100年を過ぎた頃に洋酒を貯蔵する樽となり、長い間、酒を抱いて寝かされてきた。その役目を終えた後、誠実な木工家にしつらえられて、第二の人生をバターを抱いて生きている。そんなバターケースの来し方を思うと、ちょっと敬意を表したくなるのだ。
さて、本日登場のバターケースは、200gのバターが収まるサイズ。有塩のバターをお預けするようになって13年。初めて冷蔵庫に収めた時には、なんだか寒そうで心配になったけれど、なんのなんの、冷蔵室の気温にはビクともしない。頼りになる奴だ。
バターを使い終えた時、容器に残ったバターをキッチンペーパーですりこむだけのお掃除で、バターの油が木に潤いを与えてくれる。私がボスと呼んでいるバターケースは、13年分のバターの油分でツヤツヤとしている。
このバターケースは蓋をかぶせるディッシュ型(まな板型)。バターの塊をカットしやすくて、お料理にガッツリ使いたい時にもとっても便利。
ケースの中にきっちり収まる木製バターナイフは、左利きの方も使い易いようにと両刃カット。そのナイフの丸いお尻がストンと落ち着く穴が、右置き、左置きどちらもできるよう、2箇所彫ってあるところなぞはまことに心憎い。夫曰く、左利きの息子のおかげで生まれたアイデアだとか。
ぴったりと密閉された木の箱は、バターを外気温から守ってくれるので、冷蔵庫に入れていてもカチンコチンにならないし、冷蔵庫から出してもすぐにトロリと溶けたりしない。木の特質が生かされた木製バターケースは、美味しいものを美味しいままに保存してくれる、素敵な奴だ。
あ!お湯が沸いてきたので、料理に戻ろう。たまたま見つけたYouTubeの動画レシピで、作り方はとても簡単。動画で要領を掴んでおけば、鼻歌でも歌いながら気楽に作れますよ。何度か作ってみた結果、動画とは一部作業を入れ替えた、清水まゆみバージョンをご紹介いたします。
バター、レモン、塩、のシンプルパスタ。どうぞお試しください。
清水まゆみバージョン
1)沸騰したお湯に塩を入れてパスタを茹でる。
2)茹で上がる3分くらい前にフライパンでバター、レモンの皮のすりおろしを加えよく混ぜる。
3)これに茹で汁をオタマ2杯くらい加える。ソースが乳化するまでよく混ぜる。
4)パスタがアルデンテに茹で上がったら、パスタを入れて混ぜる。
5)レモン汁を回しかけ、ミント(パセリ)を散らす。好みの分量の胡椒をふる。
6)味見をして、塩が足りないようだったら適宜加える。
7)お皿に移して レモンの薄切りを飾る。
材料 /
・スパゲッティ200g
・水2L 天然塩小さじ4(20g)
・有塩バター 40g
・レモンの皮/すりおろし大さじ2 黄色い部分だけをすりおろす
・レモン果汁…大さじ2杯
・レモンの薄切り2枚
・ミントorイタリアンパセリorレモンタイム…適量
・白胡椒or黒胡椒…適量
*このレシピはバターの味が重要な決め手となりますので、好みも関係しますが、お使いになるバターで美味しさに違いが出てくると思われます。
我が家ではよつ葉バターが標準ですが、佳きものを使えばそれなりに旨さ増しです。念のため。
*使う塩によって塩加減が変わってくるので、調節してください。
*レモンは白い部分まで削ると苦くなるので要注意。
*パルメザンチーズを最後にふって、味の調節してもよし。