「あら素敵!欲しいわあ」
たとえ同じアイテムのものを持っていても、心動かされる文房具はどうしても欲しくなる。
夫が見せてくれた新作の木製ペーパーナイフを見て、次の句をグッと飲み込んだ。
展覧会直前まで、痛む左手首を慈しみながら無心にペーパナイフを削り続けている夫に「私が使ってもいい?」とは流石に聞けなかった。
さて、一目惚れしたこのペーパナイフはレターカッターとして、とても使いやすそうだ。
長さが25cmくらいで持ち手部分の幅は1.5cm前後。
刃の部分は黒檀。持ち手の部分は、花梨で黒檀を挟み込んである。
封書を開封しやすい刃先の幅と刃先の薄さ。
右利き、左利きどちらでも使える両刃カット。
お試しに手紙を開封させてもらったところ、切れ味は良好。サクサクと紙が切れる音も心地よい。
持ち手部分は、掌にしっくりと納まってにぎれる。
そして何より美しい。デスクの上に置いているだけで心満たされる。
持ち手の部分に丸い黒子のようなものが付いているが、これは単なる飾り。でも、この黒子デザインがなんともキュートで思わず撫でてしまう。
『ペーパーナイフをただの道具と呼ぶなかれ』と言いたくなるなあ。
最近は、メールでのやり取りも多くなり、封書でのお手紙はとんと少なくなった。
少なくなったとはいえ、友人知人からのお手紙や展覧会のご案内、クリスマスカードなどは、レターカッターを使って丁寧に開封したい。
開封した途端、封書の中から目に見えぬ、あたたかな何かが広がり出て、送ってくださった方のエネルギーも一緒に受け取るその瞬間はとても貴重だ。ああ、この美しい木のペーパーナイフで、お手紙を開封したいなあ。
でも、今回は我慢いたします。
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このレターカッターに使いたいペーパーナイフは以下の展覧会に出品しております。
清水久勝・まゆみ二人展『木の道具とヤクのストール』
2020年2月1日〜13日 11:00~18:00
工芸ギャラリー 手児奈
名古屋市中区千代田3丁目14ー22杉浦ビル2F
tel 052-332-0393